二軍と一軍は違う←阪神が喜田剛を放出

先週末,阪神ファンにとってショックなニュースが流れた。長年,未来のクリーンアップと期待されながらなかなか結果が出なかったことが災いし,広島の山田とトレードということになった。

ここ数年,喜田は常に二軍でクリーンアップを打ち,そのレベルではもう通用することは証明できていたように思う。しかし,殊阪神タイガースでは1軍への行列が長く,運良く1軍に上がれたとしてもすぐに結果を出さなければ列の最後に逆戻りである。狩野は昨年ウェスタンで首位打者を獲り,キャンプも1軍帯同だったが開幕1軍はお預けとほとんど喜田と同じ立場だったが,あのワンチャンスをモノにしたことで1軍定着とレギュラーを狙う存在になることができた。そして片やトレード,世知辛いものである。喜田の潜在能力からすれば,阪神での存在とは違って広島では請われて1軍に上がる日も遠くないと思って良いだろう。

2軍と1軍,近くて遠いフィールドだが,2軍で活躍してきた選手が簡単に1軍で結果を出せないことのほうが多い気がしている。そういう意味では,昨年千葉ロッテのバレンタイン監督が我慢して2軍選手を1軍で使い続けた果実が今の順位につながっている気がしてならない。青野はその象徴的存在だろう。

2軍と1軍では環境ももちろん違う。要は,2軍選手であってもどれだけ高い意識を持ち続けるかということ,そして1軍に上がっても決して臆しないということなのだろう。日本人の気質なのか,苦労人は人気が出る。阪神では狩野というひとつの奇跡を見ることができたが,どのチームにもそんな選手が多数現れてプロ野球を盛り上げて欲しい。