完封そして完封←社会人日本選手権2試合

1年ぶりの社会人野球観戦。今年のドラフト,そして来年のドラフト候補までを見据えての観戦になったのでとても充実した一日となった。

奇しくも,私が見た2試合は両方とも1-0で片方の投手が完封,得点も同じイニングでチャンスメイクが下位打線というところが同じで,デジャブのような経験だった。1日に何試合か見るという経験は多くの野球ファンでもあると思うが,ここまで似た試合を連続して見ることはあるだろうか。

13時半開始のホンダ対JR東日本東北は後者が勝ったわけだが,投げては摂津が完封,打線は7番〜9番のみの安打でワンチャンスをモノにしたような感じだった。摂津はドラフト候補でもあるしレベルの高い投球だったが,プロ入りの基準となりそうな150キロには程遠く,何か特徴を見出さないと次のステップには進めないと言う印象だ。

どうしても注目は投手となってしまうが,ホンダ先発の日野は躍動感あるフォームの右腕,同じくうなるような直球はないが,球の勢いは感じる。プロの可能性があるとすれば1イニングの登板に限られた筑川のほうだろう。146キロを計時し,可能性を感じた。

次は日本生命富士重工業の一戦。富士重工は前回覇者であり,何と言っても東京ヤクルトからドラフト指名された鬼崎が注目の的。日本生命千葉ロッテから下敷領が指名されており,「来年はプロ同士対決」が実現。

先発した下敷領はほとんどサブマリン型であり,球が浮き上がってくる。これにすばる打線は手こずり,序盤から凡フライを重ねる。同僚となる渡辺俊介とまったく同じには見えず,力を入れるポイントがやや早いのではないだろうか。直球も120キロそこそこ出ているので横浜の木塚ともかぶるような気がする(現に週刊ベースボールが似たタイプに挙げていた)。5回に連打を浴びて失点したが,マリーンズでどんな使われ方をするのかとても楽しみだ。

感心したのは鬼崎の肩の強さ,しなやかさ。プロでも見たことがないような快速球ショートストップの持ち場からファーストに投げ込む。4打席目のヒットも器用さを示したし,スワローズの高田新監督がポスト宮本に挙げるのもよくわかる。盗塁のシーンが見られず残念だったが,それは明日以降に持ち越し。

プロが指名するしないの線,それは一芸に秀でるかどうかということが非常に大きい気がする。当落線上にある選手は,これから1年何か自分だけのものを見つけてほしい。

この記事とは関係ないが,西武ライオンズ石井一久をFAにて獲得したとのこと,個人的には昨年松坂が抜けた穴をまったく埋められていないと認識していただけにこのことが大きくプレーオフに近づく要因になるのではないかと感じる。一方ヤクルトにとっては今回のドラフトで獲った加藤に大きく期待したい。