永遠のファン人生と一瞬の選手人生←FA黒田の周囲

全国広島東洋カープ私設応援団連盟の新藤邦憲会長(58)らが19日、広島市民球場内の広島球団事務所を訪れ、今季FA権を取得した黒田博樹投手(31)の残留を求めた嘆願書、署名、メッセージ入りの応援旗の3点を提出した。そのメッセージ書き込みには、広島出身のお笑いコンビ『アンガールズ』も参加。エースの残留を訴えた。
ファンの思いが、広島球団に手渡された。新藤会長は「50日間かかったプロジェクトの集大成として、受け取っていただいた」と笑顔で話した。
中身は、黒田残留を求める松田オーナーあての嘆願書、応援団役員を中心とした約1000人の署名、ファンに書き込んでもらった背番号「15」の応援旗だった。応援旗へのメッセージ書き込みは、9月24日・横浜戦の試合前に開始。最終的に人数は500人を超えるまで増大していた。(デイリー)
ファンが残留を訴えるのは簡単である。けれども,プロ野球選手として一番の働き時すなわちピークというのは長い人でも10年くらいのもので,一生やっていられる応援に比べて儚く一瞬のものである。そうした立場の差があることから,このファンの行動は少々押しつけがましくないか,とも思うのである。

今回のように一人の選手の進退を巡って署名や嘆願書が出されるのは異例であってそれだけ愛されている選手だと言うことは十二分に伝わったが,果たして「1000」という数字が多いのかどうなのか。1000人といえば,ある日の広島市民球場の外野席にいるファンに無理矢理書かせれば容易に集まるのではないかと思ってしまうのは私だけだろうか。

黒田選手の言動を見るに,どうも広島を去るほうが濃厚ではないかと感じられるが,このファンの異例の行動がどうその選択を左右するか,注目しておきたい。

一応付け加えておくが,FAには「人的補償」という制度があり,FAで獲得した球団は,旧所属チームにプロテクトリストを渡してそれ以外の選手から一人無条件に獲得できるというものである。万が一阪神が獲得した場合,私が簡単に算出しても秀太・中村豊・太陽や,喜田桜井赤松あたりから一人がリストからこぼれる予定になっており,それはそれで戦力アップになるやもしれない。そうしたシステムがあって成立しており,何もすべてを失うわけではないのでそこは付記おきたい。