「右上テロップ」が日本のスポーツをダメにする
世界バレーも始まり,野球の方でも日米野球・アジアシリーズとあって,サッカーもクラブワールドカップが始まりJリーグも佳境などスポーツの秋が顕著になってきた。
そんな中で最近のテレビスポーツ中継を見ていると,画像に挙げたような右上のテロップがよく出ている。最初は試合の位置づけ・意味づけなどをキャッチーに示したものだったが,最近になってくると「1セット先取!」など試合の経過を端的に説明してしまっており,中継そのものがよりパッケージ化されたものを視聴者に届けている現状がある。
こういう説明テロップを常に置いておくのはいかがなものだろうか。視聴率競争がますます加熱する中で,このように一見して経過がわかるのはザッピングして見ている者にはいいかもしれないが,それこそ結果優先になっており,特段注目する選手やスター選手がいないということを露呈している非常に貧相なものであるということを考慮して欲しい気がする。
先にパッケージという言葉を用いたのは,こういう中継というのはライブ感が醍醐味なのであって,(実際は数時間のディレード放送だろうが)生で見ている視聴者と同時間を生きている選手の息づかいをどう伝えるかが肝なのではないだろうか。そういう意味では右上のテロップが視聴者とテレビとの間を隔ててパッケージすなわち一方向的な「ショー」のようにしてしまっているような感じがするということである。
テレビ中継ではどれだけの人数が見たかが重視されてしまうのでどうこう言っていられないのかもしれないが,少なくとも右上テロップは正解ではないと思う。