どうとらえる？相次ぐ日米野球辞退者

松坂大輔・藤川球児・ダルビッシュ有・八木智哉・斉藤和巳・岩村明憲・川崎宗則・ＳＨＩＮＪＯ・福留孝介・松中信彦…
いずれも3月のWBCで活躍した全日本の名選手か今シーズンのプロ野球を沸かせてくれた面々ばかり。彼らは11月の日米野球の出場を辞退した選手たちであり，その理由は大小あるがケガである。

正直に言って，ここに並んだ選手がいないことによって観客動員が何割か差し引かれてしまうであろうし，興行としての日米野球は失敗の方向に向かうことになる。代わりの選手たちがこのチャンスを利用してさらに一皮むけることを期待したくもなるが，相手は世界一を名乗るメジャーリーグ選抜であり，チャンスというには大変おこがましい。

引退するSHINJOおよび大リーグ移籍を見据えている松坂・岩村を除けば，ほぼ全員が来季を見据えての辞退と言える。言い換えれば，来季優勝するために辞退したと言ってもいい。奇しくも，該当する選手はまさに来季も覇権を争うであろう球団の所属である。特にソフトバンクからは3名おり，いかに来季優勝したいかがよくわかる。

この事実が示すように，プロ野球においてフランチャイズ化がどんどん進んでおり，福岡にも大阪神戸にも名古屋にも北海道にも熱狂的なファンがたくさんいて，優勝を分かち合うことが唯一にして無二の栄光であって，オールスターやエキシビションマッチで個人賞を土産にして帰ってきても，故障でもすればブーイングものである。逆に言えばそれだけシーズン中の1試合1試合の濃度・疲労度が選手にも相当きつくなってきていることかもしれない。

相手方には大変失礼な出場辞退ではあるが，この現象ひとつとっても今の日本のプロ野球の立ち位置が見えてくるような気がするがどうだろうか。