社会人野球を見に行こう←日本選手権


少々遅れてしまったが,昨日京セラドーム大阪で行われている第33回社会人野球日本選手権に行ってきた。プロ野球高校野球(・幼い頃にメジャー)と見に行ったが,社会人野球はひと味違った雰囲気とドラマがある。

まず応援席の活気である。内野スタンドにステージが設けられ,各チーム応援団を男女20名くらいで編成しひっきりなしに踊り叫びまくる。いつどこで練習したのか,新入社員がやっているのか,などいろいろな疑問が沸くが,とにかく整っていて美しい。選手達も勝つ気は満々だろうが,応援団はそれをも上回る「勝たせたい」というひたむきさがある。1塁3塁それぞれのスタンドには関係者と見られる観客が多数来場し,応援団に応えてメガホンやうちわを振り回し,中には役員と見られる老年の男性が立ち上がって観客をあおっていた。

観客ひとつとっても興味深いが,粋なファンサービスもある。ファールボールはそのままもらってもいいのだが,係員に申しつければ軟式のボールと交換できるというものである。小さなことだが,私のようにたまに草野球に興じる者にとってはうれしいことだ。ちなみに今日の私の収穫はゼロだった。

さて,昨日18時頃に球場に着いたのだが,三菱重工神戸と日産自動車九州が延長戦を戦っていた。好投と言うよりも凡打の山で0が積まれ,ようやく延長15回日産自動車九州が四球・安打を絡めた畳みかける攻撃で2点を先取し,試合を制した。プロでもアマでも点の入らない試合は緊張感があり,守備でもミスは見られなかった。

目当てにしていた鷺宮製作所日本生命の一戦は19時半からスタートした。「鷺宮製作所」…ワシなのかタカなのかと思ったらサギである。サギノミヤという大きなプラカードで応援団が盛り上げていた。自動制御機器等を製造する会社で1958年に硬式野球部創立と歴史ある関東の強豪である。この選手権にも3年連続して出場している。対する日本生命は言わずと知れた関西の雄であり,仁志敏久福留孝介らを輩出していることは有名すぎる。毎日新聞のwebで注目カードに推されていたこともあって行ってみた。日本生命は大阪が本拠とまさにホームゲーム。観客も多く,マーチバンドが来ていない鷺宮を応援で圧倒していた。試合内容も同じく,投げては先発のサブマリン下敷領が制球よく6回を1失点,打っては5番澄川の本塁打を含む18安打で10得点の圧勝。2回の5点で雌雄が決した形になって残念だった。

一発勝負と言うこともあるが,応援団含め1球1球に集中しいいものを見せてくれる。慣れないドーム球場でも守りの不甲斐ないミスが見られず,プロと遜色ない試合運びで大変勉強になった。ここから2回戦・準々決勝と進んでいくが,良い試合が見られそうで楽しみである。そんな中で21日にはプロのドラフト会議もあって騒がしくなるだろう。