ネーミングライツについて考える←今度はグッドウィルドーム

西武は2日、来季から本拠地の西武ドームと2軍の新たな命名権ネーミングライツ)契約を結び、球場名を「グッドウィルドーム」、2軍のチーム名を「グッドウィル」と変更すると発表した。契約期間は来年から5年。契約額は明らかにしていないが、球場と2軍と合わせて5年間で約25億円とみられる。
契約を結んだ「グッドウィル・グループ」(折口雅博会長、本社・東京都港区)は人材派遣、介護サービスなどが主な事業内容の株式会社。折口会長は記者会見で「グループの知名度を上げ、顧客の信用アップや、人材の採用につなげたい」と話した。
西武は一昨年のシーズン終了後、情報通信サービス業のインボイス社に初めて命名権を売却。2年間の球場命名権契約が今季で終了していた。(sanspo.com
日本におけるネーミングライツ命名権)ビジネスというのは非常に新しくまだなじみづらいのかも知れないが,ここまでコロコロと変わるのは非常に都合がよろしくない。チケットの販売・メディアの表記など事務的な煩雑さはもちろんのこと,とにかく市民の認識の混乱が危惧されて仕方ない。

このビジネスを否定するつもりはない。しかしあまりに契約年数が短すぎてすぐに変わることがよくないのだ。長き日本プロ野球の歴史の中で「グッドウィルドーム」は多くの人にとっては「西武球場」なのであり,「スカイマークスタジアム」は「グリーンスタジアム神戸」なのである。地域名もなくいわば跡形もない変化を強いられているのである。

もうひとつこれは至極個人的な提言だが,せっかくその球場の名前を担うのであれば,球場のあり方について議論をしてほしいということである。メジャーリーグでは数年前から,人工芝から天然芝への回帰が進み,アメリカンリーグは今や全球場が天然芝だそうである。やっぱり野球は天然芝だ。日本は初夏に雨がよく降るのでドーム球場は日程消化に都合良いが,イチローのセーフコフィールドは開閉式球場なのに天然芝である。来年3月に張り替えをする東京ドームあたりからぜひそれを実行してほしいと思うが,命名権を買った企業はそういったところにぜひつっこみを入れて欲しい。