台湾韓国を見れば←不可解な日本プロ野球選手会

労組・日本プロ野球選手会の定期大会が7日、大阪市内のホテルで開かれ、11月中旬に予定されている「日韓シリーズ」は日程的に困難との考えを示し、同シリーズが暗礁に乗り上げる可能性が出てきた。
日本と韓国のプロ選抜チームで戦う「日韓シリーズ」は5試合を予定し、2年ごとに開催。07年は日本で、09年は韓国で行うこととし、7月の実行委員会でも承認された。しかし、この日の選手会では「やめて欲しい」という意見が占め、宮本会長(ヤクルト)は「来オフの最重要な試合は五輪予選。日程的に難しいと感じている」と話した。(讀賣新聞
日米野球を終わらせたと思ったら新しい日韓シリーズも拒否。2004年を境に再び選手とファンが接近しつつあった関係も,だんだんと選手のわがままが見えてくるようにもなっている。

選手会は何を軸に議論を進めようとしているのだろうか。試合数を減らすことによってパフォーマンスのレベルを凝縮して上げていきたいというのはわかるが,プレーオフ交流戦の盛り上がりというのは,ファンが新しい野球の見せ方を待望しているということではないだろうか。そういう意味で,日米野球のアマチュア化も残念であるのに新しく開催されようとする日韓野球も蹴飛ばそうとしているところはニーズに逆行していると考えられておかしくない。

現在開催中のアジア大会だが,オールアマチュアで臨んだ日本が銀メダルを獲得したのは本当にすばらしいことだが,金メダルを獲得した台湾も3位に甘んじ国辱との自己批判も出ている韓国もオールプロで出場していた。一概に何でもプロを派遣してアマチュアの機会を奪うことがいいとも思えないが,ライバルがプロで来ている大会で爪を隠すようなことはしなくてもいいのではないだろうか。たとえフルメンバーが組めなくとも,サッカーのように年齢制限をつけて選出するなど,いくらでも方法はあるはずである。

やはり,選手会は「どうしたらファンに野球を楽しんでもらえるか,そのために選手がプレーしやすい環境はどういうものか」ということを軸に据えて欲しいし,年俸高騰など甘えのよりどころにはなってはならないと思う。ドラフト制度などについても労使協議が続いているが,常にファンのことを片隅に置いて戦って欲しいと思うのだ。