プロで生きていくには守備?←今岡の決意

「守備の人」になって完全復活や! 阪神今岡誠内野手(32)が11日、兵庫・西宮市内の鳴尾浜球場で自主トレを公開し、今季開幕まで守備練習を重視したトレーニングメニューを組む方針を語った。従来は打撃技術の向上を最優先させてきたが、長期離脱した昨季から継続しているゴロ捕球やスローイング練習に明け暮れる。力強い打撃につながる下半身強化も目的としており03年首位打者、05年打点王に輝いた天才的な打棒の完全復活を期す。(nikkansports.com)

昨年印象に残っていた「守備」に関する事柄。ひとつは,リンウェイツゥがレギュラーを取れないことに関して福本豊氏が口を酸っぱく「守備7,打撃3で練習すればええ,あとは守備」と言っていたことである。リンの良さはもちろん非凡な打撃センスと飛距離を飛ばせるスイングであろうが,変化球への対応についてはまだ発展途上と見られている。しかし,福本氏はそんな中でも守備の重要性を強調していた。氏からすれば,肩で度重なる故障を負ってそれでもライトを死守している濱中よりも守りのレベルで劣っていると見ているのだろうが,レギュラーを選んでいく上では守備が大きな要素になりつつあることがわかる。

もうひとつ,昨年引退した片岡篤史氏がそのきっかけとした出来事が,昨季の守備機会でなんでもないミスをしてしまったことだったという(確か8月の横浜戦で決勝点につながるエラーを犯している)。大きなフライを数多く打ち上げても柵を越えてくれないことがきっかけではと私なんかは察していたが,まったく違ったのだ。プロの世界では,守備が選手としての生死を決めてくれるらしい。

確かに,昨年のキャンプで光っていた新人と言えば,高卒離れした卓越した守備センスを見せてくれた大和君である。彼などは今後バッティングでめざましいレベルアップをしてくれれば鳥谷をも蹴飛ばす名選手になるかもしれないというわけである。

話は戻って今岡である。昨年の今岡を見れば,打撃面も守備面もどちらも褒めるところがないくらいひどかったように思える。決しておごりが見られたわけではないだろうが,2007年に期するところは大きいだろうし,そのための礎を守備に求めたのは案外正解かも知れない。