契約更改のあるべき姿←中村紀洋退団など

オリックス中村紀洋内野手(33)は12日、大阪市内で代理人の茂木立仁弁護士を伴い6度目の契約更改交渉に臨んだが合意には至らず、正式に退団が決まった。
中村は今後、トレードで他球団に移籍するか、自由契約となって移籍先を探ることになり「ちょっとでも評価してくれる球団があれば、金額はこだわらないので、喜んで行きたい」と話した。
球団は、下交渉で減額制限の40%を超える60%減の年俸8000万円を提示し、交渉が難航。9日には交渉が決裂して球団が慰留断念を表明し、中村の退団が必至の状況になっていた。(神戸新聞
メジャーで一般的となってきた「代理人交渉」が仇となった明白なケースである。これまでは球団がそれを嫌がり,選手側はますます利用するようになっていたが,改めて,自らで自らの給料を決める場に行くことの重要性がとられられるのではないだろうか。

今オフの契約更改の場は,球団側も選手側も学ぶことが多かった。

阪神の関本や西武の赤田の件でわかったように,球団側はより真摯に選手に向き合わなくてはならない場であることを認識しただろう。また,前オリックスの中村の件にしても,自分たちの評価が妥当なものであったとしても強硬な態度をとり続けることには疑問が残るし,実績ある選手であることは確かなのだから,様々な着地を検討すべきだったのではないか。

契約更改の場は極論だがすなわち退団と隣り合わせである。実績ある選手はそれをちらつかせることが交渉の場で優位に働く可能性もあるが,中村はそれが奢りという形で捉えられた。

最近のマスメディアの報道の仕方も,かつてとは違い「もらいすぎでは」なんてムードが漂うものが多い。選手達はこの場で改めて自分がプロ野球選手という夢を魅せる立場である責任を自覚し,来季もできるだけその気持ちを長く持って欲しい。