都城に無情の雨←広島2×6西武

年に一度のプロ野球というのに,とても野球ができるような天候ではなかった。気温は10度を下回り,とにかく風雨がすごい。結果的に5回終了時点でコールドとなったが,興行面からも致し方ないだろう。私自身もあまりの寒さに中座してしまったが,広島・西武ともに今季を占う投手が先発し,役者に申し分はなかった。

広島の先発はあのナックルボーラー,フェルナンデスである。本人も今日はナックルを投げるには最悪と嘆いたようだが,打者を幻惑する投球の片鱗は見せていた。要はナックルでもストライクを取れるかということだろう。

攻略法としては,西武の打撃陣を見ていればわかる気がしたのだが,ゆっくりした変化球が来ても決して手を出さない。直球に絞り,ストライクゾーンに来たものを振り抜くという明快な方針でいいのではないだろうか。あのゆっくりした球が来てしっかりミートできた打者は今日いただろうか。




西武の先発は,「ポスト松坂」候補の一人,新人の岸だった。これはやっていけそうだと感じたのは2点,1点はランナーを背負っても腕の振りが縮こまらない点である。投手としての適性で大事な度胸という意味では合格である。もうひとつ,同じ度胸面だが,今日はこんなコンディションにも関わらずカーブで見逃し三振を取ることができた。短絡的かも知れないが,岸は十分に西武のローテーションに入ってくるのではないか。

そう考えていくと,松坂大輔が抜けたとしても西武の先発陣はかなりの質を保っているのではないだろうか。西口,涌井,グラマンギッセル,岸,松永…かなり楽しみである。



余談であるが,今日の帰り,駅で一休みしていると,私と同じく,特定の球団のファンをしながらも野球全体を愛して今日のこの試合のようにファンのチームでなくても見に来たという方がいた。齢70で仕事をしながら野球のシーズンには全国を駆け回るそうで敬服に値する。私も同じようにこれからも飛び回っていくのでまた再会するだろうと思っているが,そういう人がいるのだと改めてうれしくなった。