今年は希望入団枠維持?←プロ野球ドラフト問題

西武の裏金問題の発覚で、日本プロ野球組織(NPB)は21日、東京都内で西武を除く11球団で代表者会議を開き、裏金問題の温床と指摘されたドラフト制度の『希望入団枠』を来年から撤廃することで合意した。今秋のドラフト会議の実施方法については継続審議となったが、暫定的に現行制度を維持するとみられる。2008年からのドラフト制度に関しては来年3月までに正式決定する方針。(サンスポ)
この記事から,讀賣のみが今年からの希望入団枠撤廃に反対し,あとの11球団はそれを説得しきれなかったような図式が伺える。今週どうしても獲りたい選手でもいるのだろうか。そしてその選手に「栄養費」など渡していないだろうか。

讀賣巨人軍としての言い分は,アマチュア選手側にある程度の自由を与えたいということのようだが,希望枠は1チームにつき1名であり,全体で考えても最大12名。毎年プロ志望するアマチュア選手はそのウン十倍にも上り,今までに与えている自由だって微々たるものである。そう考えれば,わずかな自由がなくなるだけのこと,むしろプロに入った後にどんな道筋を作るかを考えて欲しい。

その道筋だが,現行最短9年で獲得できるフリーエージェントの権利を短縮するという議論が真っ先にあがる。プロに入る段階で好きな球団に行けないのならば,入ってからがんばれば5年なり6年なりで自由に動けるとしたら単純に魅力的かもしれない。ただ,現在のフリーエージェントは,一部で年俸を高騰させる手段として機能している部分があり,フロント側がこの短縮を簡単に飲めないというのも大いにわかる。

選手会にとっても無関係でない今回の問題。要するに,今のプロ野球はいっぱいいっぱいなのである。球団としては良い選手を意地でも入団させて強くして集客を高めたい。一方で活躍する選手に対して高い給料を支払わなくてはならない。この「いっぱいいっぱい」のスパイラルをどこかでほどかなければ,あとは瓦解していくのみである。