野手は夢・投手は金を追う?←田口フィリーズへ

大リーグのフィリーズは23日、カージナルスを今オフ退団した田口壮外野手(38)と1年契約を結んだ。年俸90万ドル(約1億300万円)で打席数などに応じた出来高が付く。(サンスポ)
まだメジャーで1本のヒットも打っていない日本人外野手に10億以上の年俸を払う球団もいれば,メジャーで何年も(主にバックアッパーとしてだが)活躍してきた日本人外野手に高額で手を挙げる球団はゼロ,そして1億円ちょっとという値段で契約せざるを得なかった。

38歳という年齢を差し引いても,あまりに低い評価なのではないかなどと思ってしまうが,野手に関しては日本時代に飛び抜けた成果を残した超一流でなければ高い評価は得られないという難しさがそこには見える。投手は超一流でなくてもそれなりの評価を頂き毎年何人もメジャーを目指すが,野手がそうなってどんどんメジャーに行くということは今後あるのだろうか。

イチローは,海を渡りアメリカで1年に一番ヒットを打ったバッターになった。それまでもホームランこそが一番でパワーが重んじられる傾向がありその歴史を変え野球の見方を変えたかに見えたが,それがその他の日本人野手の評価上昇にはつながらなかった。結局,日本人はパワーが足らないという見解は変わらないのだろう。

さして深刻な問題にならないかもしれないが,少しでも良い投手が次々にメジャーへ「流出」する傾向は今後の日本野球界に何をもたらすかとても気になる。子供たちはピッチャーばかりやりたがるのだろうか。

田口のあまりの低評価に個人的には違和感を覚えたが,メジャーは日本人外野手をそもそも欲していないのだろう。