ジュビロは若い!←浦和3×3磐田@埼玉

若手中心のメンバーとなった磐田が試合開始から積極的に攻撃を仕掛けた。前半1分、FW西が相手GKと1対1の場面となるが、ゴール枠を外した。中盤でボールを支配し、両サイドバックが仕掛ける展開を続けると、同31分にはDF犬塚の右クロスにFW前田がヘッドで先制点を決めた。浦和のミスを突き、さらにカウンター攻撃もみせ、得点チャンスを演出した。
後半1分、MF福西が追加点を挙げたが、浦和にMF小野の2得点などで逆転を許した。同36分にDF犬塚が同点弾を決め、延長戦へ。最後はPK戦の末、浦和が10−9で競り勝ち、4強入りした。(日刊スポーツ)
戦術だテクニックだうんぬん書くよりも,あえて感覚的に書きたい。

今年のジュビロを生で見る機会はなかったが,テレビで見るのもそれはそれでおもしろい。というのは,解説者の「ジュビロ評」というのが人によってかなり異なっていたからである。ある人は「優勝争いに加わっていないのはおかしい」とし,ある人は「このチームはまだ変革期である」として現状に満足しうる意見もあった。今日の試合を見るにまさにこのチームの若さというか過渡期にある状況がよくわかった。

前半,浦和の動きはかなり鈍かった。ベストメンバーにほど遠いとは言え,連動がなく攻撃にも脅威が足りない。磐田は右サイドを突破口として自由にチャンスメイクができていた。まさにジュビロの時間が到来していた。先取した2点はその時間の産物である。

ジュビロの選手の動きを見ていれば,流れがどちらにあるかわかりやす過ぎるくらいにわかる。2点を取った後,この先どう過ごすかに迷ったのか,また後半投入された小野の動きもよく早々に流れを相手に渡してしまう。そうなると攻撃もあたふたしたものになり,消極的なサッカーになると言う悪循環を経て気が付けば逆転され,敗戦ムード。

若いチームとはこんなものかと感心したのが,逆転されたすぐ1分後の犬塚のゴールである。開き直ったようにけり込んだボールは相手ゴールに一閃。またたく間に同点となり,延長へ。延長の中で決定機が多かったのはジュビロであったが,どうもうまくいかずPK戦へ。皮肉にも,先にチームを救った犬塚が外して敗戦となった。

蹴った瞬間にうずくまるような感じになった犬塚はしばらく立てなかったが,チームメイトの激励もあってすぐ立ち上がり苦笑していた。突然訪れたシーズンオフ,若い磐田の選手達は多くを感じて来年の開幕を迎えて欲しい。

浦和としては5回戦の福岡戦の延長での勝利と言い今回のPK勝利と言い,帳尻合わせ的な勝利をつかんで勝ち上がっている。メンバー構成も苦しいかも知れないが,どこかでレッズらしいサッカー(どう表現して良いか難しいが)を見せてくれないと,と注文をつけておきたい。準決勝の鹿島戦が大きなキーになるだろう。